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	<title>コラム「老いと介護の舞台にて」 &#8211; OiBokkeShi</title>
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	<description>「老いと演劇」オイ・ボッケ・シ</description>
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		<title>役を奪うのではなく、与える</title>
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		<dc:creator><![CDATA[sugawara]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 02 Aug 2024 13:30:56 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム「老いと介護の舞台にて」]]></category>
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					<description><![CDATA[「認知症の人のぼけを演技で受け入れると言われていますが、姑に『財布をとったでしょ』と言われたら『はい、盗みました』と泥棒を演じればいいんでしょうか」 ワークショップ後にこういった質問を受ける。 この連載では、介護者は時に [&#8230;]]]></description>
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<p>「認知症の人のぼけを演技で受け入れると言われていますが、姑に『財布をとったでしょ』と言われたら『はい、盗みました』と泥棒を演じればいいんでしょうか」</p>



<p>ワークショップ後にこういった質問を受ける。</p>



<p>この連載では、介護者は時に俳優になり、時に演出家になることを勧めている。しかし、さすがに泥棒を演じることには抵抗があるだろう。</p>



<p>こういったときは演出家になって考えてみる。認知症の人が今どんな役を演じているのかに着目する。お姑さんは“泥棒を問いつめる役”を生き生きと演じている。</p>



<p>それでは、普段はどんな役を演じているのか。皿洗いをお願いしても、時間がかかるし、きれいに洗えない。料理をお願いしても、段取りが悪いし、味付けもおかしい。「もういいです。私がやりますから、お義母さんは何もしないでください」。認知症になったことで役を奪っていないだろうか。人は、役を奪われると自分が自分でなくなるような感覚に陥る。</p>



<p>もしかしたら、自宅にいながら「家に帰る」と言うお年寄りも、役を演じていたかつての自宅に帰りたいのかもしれない。自分の家であっても、そこに自分の役がないのであれば、居心地が悪い。</p>



<p>このように演出家の視点に立つことで、問題解決の糸口が見えてくる。</p>



<p>役を奪うのではなく、むしろ役を与える。介護の目的は、認知症の人を受け身にすることではなく、主体性を引き出すことにあるのだ。</p>



<p>「財布をとったでしょ」と言うお姑さんは、もしかしたら「役を奪ったでしょ」と言いたいのかもしれない。泥棒を問いつめる役よりも、その人らしい役がきっとあるはずだ。演出家になって適役を見つけてほしい。そして最後にあなたが「ありがとう」を伝えるシーンを作ってみてはどうだろうか。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img fetchpriority="high" decoding="async" width="1024" height="734" src="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/08/61c2681c73ea30f5abb6c53074d2cdb8-1024x734.jpg" alt="" class="wp-image-2073" srcset="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/08/61c2681c73ea30f5abb6c53074d2cdb8-1024x734.jpg 1024w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/08/61c2681c73ea30f5abb6c53074d2cdb8-300x215.jpg 300w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/08/61c2681c73ea30f5abb6c53074d2cdb8-768x551.jpg 768w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/08/61c2681c73ea30f5abb6c53074d2cdb8-1536x1101.jpg 1536w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/08/61c2681c73ea30f5abb6c53074d2cdb8-2048x1468.jpg 2048w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/08/61c2681c73ea30f5abb6c53074d2cdb8-1500x1075.jpg 1500w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
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		<title>介護職員の創造的な仕事</title>
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		<dc:creator><![CDATA[sugawara]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 25 Jul 2024 13:34:53 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム「老いと介護の舞台にて」]]></category>
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					<description><![CDATA[「老人ホームは舞台だ、お年寄りはみな俳優」。介護現場で働き始めてから、そう思うようになった。 老人ホームのお年寄りは何らかの役を求めている。これまでの人生で学生役やサラリーマン役、父親役など数々の役をこなしてきた。しかし [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>「老人ホームは舞台だ、お年寄りはみな俳優」。介護現場で働き始めてから、そう思うようになった。</p>



<p>老人ホームのお年寄りは何らかの役を求めている。これまでの人生で学生役やサラリーマン役、父親役など数々の役をこなしてきた。しかし、定年退職をして、認知症を患い、老人ホームに入所し、だんだん役を奪われてしまった。それでも人は生きている限り何らかの役を求め続ける。</p>



<p>介護職員の主な仕事は、食事、排せつ、入浴の介助。一方で、そのお年寄りに合った役を見つけることも大切な仕事なのではないか。お年寄りの人生のストーリーに耳を傾けて、今の状態を把握して、そのお年寄りに合った役を見つける。これはとてもクリエイティブな仕事だ。人生は十人十色だから、マニュアル化することはできない。</p>



<p>そういった意味で、介護職員は演出家に似ている。演出家の仕事は、ストーリーを読み解き、俳優に役を与え、小道具や舞台装置など環境をそろえ、俳優から生き生きとした演技を引き出すこと。</p>



<p>認知症の人も自分に合った役を見つけると、途端に輝きだす。町議会議員を長年勤めていたおじいさんはマイクを握ると流ちょうな演説を始め、農業をしていたおばあさんは畑仕事をする介護職員を手厳しく指南する。介護職員が驚くような身体能力や認知機能を発揮する。</p>



<p>お年寄りのそういった姿を見ることが、介護職員のやりがいなのだろう。認知症になったり、障害があったりして、「もう生きていたくない」とふさぎ込んでいたお年寄りが、何かをきっかけに「もう少し生きてみようか」と気持ちを新たにする。</p>



<p>お年寄りという俳優と、介護職員という演出家が創造的に関わるとき、老人ホームが豊かな色彩を持った舞台になる。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="731" src="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/dd6739a4e8161c7221da3bea4d9cd4e2-1024x731.jpg" alt="" class="wp-image-2049" srcset="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/dd6739a4e8161c7221da3bea4d9cd4e2-1024x731.jpg 1024w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/dd6739a4e8161c7221da3bea4d9cd4e2-300x214.jpg 300w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/dd6739a4e8161c7221da3bea4d9cd4e2-768x548.jpg 768w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/dd6739a4e8161c7221da3bea4d9cd4e2-1536x1097.jpg 1536w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/dd6739a4e8161c7221da3bea4d9cd4e2-2048x1463.jpg 2048w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/dd6739a4e8161c7221da3bea4d9cd4e2-1500x1071.jpg 1500w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
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		<title>おかじいの日常を描く新作</title>
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		<dc:creator><![CDATA[sugawara]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 15 Jul 2024 11:50:36 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム「老いと介護の舞台にて」]]></category>
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					<description><![CDATA[劇団「オイボッケシ」の看板俳優・岡田忠雄さんは９３歳。認知症の奥さんを自宅で介護しながら、俳優として演劇活動を続けている。 岡田さん夫婦には子供はおらず、奥さんが１０年前に認知症を発症してから、介護サービスを利用しながら [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>劇団「オイボッケシ」の看板俳優・岡田忠雄さんは９３歳。認知症の奥さんを自宅で介護しながら、俳優として演劇活動を続けている。</p>



<p>岡田さん夫婦には子供はおらず、奥さんが１０年前に認知症を発症してから、介護サービスを利用しながら、岡田さんが介護をしてきた。介護が始まった頃はよく奥さんとけんかをしていたという。泥棒扱いされて頭に血が上り、警察を呼んだことも。言い合いになると、奥さんは「殺せー！」と叫ぶので、思わずこぶしを振り上げることもあった。</p>



<p>しかし、５年前の「老いと演劇のワークショップ」に参加して、苦しかった介護に大好きな演技が役立つことを知った。それ以来、奥さんとの関係が変わった。</p>



<p>ある日、自宅で奥さんが「家に帰ります」と外に出ようとした。これまでだったら「家はここじゃが」とけんかになっていたが、岡田さんは「そしたら暖かい服を着ようか」と演じる。奥さんの言動を受け入れた上で、時間稼ぎをする。「今、道路が混んどんじゃって。ミノル兄さんから、もう少し待っとって、って電話があった」。認知症を患っても昔の記憶は残っているので、お兄さんの名前を出して安心感を与える。「そしたら部屋で待っていようか」「うん」。奥さんは岡田さんと共に部屋へ戻っていった。</p>



<p>　介護に演技を取り入れることで岡田さん夫婦に再び平穏が訪れた。「わしもばあさんも９３歳。死んだ時に悔いを残したくない。けんかばかりするんじゃなくて、お互い気持ちよく過ごしたい」。</p>



<p>　最新作「ポータブルトイレットシアター」は、介護する岡田さんの日常を描いた演劇作品だ。苦しかった介護の日常を演劇が救ってくれた。今、岡田さんは舞台に立ち、介護に苦しむ人々を救おうとしている。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img decoding="async" width="1024" height="729" src="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/786c99d362d63acbb053c7219d29f05c-1024x729.jpg" alt="" class="wp-image-2018" srcset="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/786c99d362d63acbb053c7219d29f05c-1024x729.jpg 1024w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/786c99d362d63acbb053c7219d29f05c-300x213.jpg 300w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/786c99d362d63acbb053c7219d29f05c-768x547.jpg 768w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/786c99d362d63acbb053c7219d29f05c-1536x1093.jpg 1536w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/786c99d362d63acbb053c7219d29f05c-2048x1457.jpg 2048w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/786c99d362d63acbb053c7219d29f05c-1500x1067.jpg 1500w" sizes="(max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
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		<title>はち切れそうな表現欲求</title>
		<link>https://stg.oibokkeshi.net/2024/07/11/2009/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[sugawara]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 11 Jul 2024 12:57:20 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム「老いと介護の舞台にて」]]></category>
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					<description><![CDATA[岡田忠雄さん（９３歳）の舞台に懸ける情熱はすさまじい。しかし、せりふを覚える気はさらさらない。どうすればこのおじいさんと芝居を作れるのか。これまで５年間、この矛盾と闘ってきた。 第１作目の台本では、認知症の妻を介護する高 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>岡田忠雄さん（９３歳）の舞台に懸ける情熱はすさまじい。しかし、せりふを覚える気はさらさらない。どうすればこのおじいさんと芝居を作れるのか。これまで５年間、この矛盾と闘ってきた。</p>



<p>第１作目の台本では、認知症の妻を介護する高齢男性の役、つまり、実生活のままの岡田さんを演じてもらった。台本のせりふを覚えてもらうのではなく、岡田さんがよくする話を台本に組み込んだのだ。</p>



<p>「舞台の上で死ねたら本望だ」。岡田さんの口癖なのだが、９３歳が言うとリアルだし、重い。僕らもどうすれば岡田さんが舞台の上で…とついつい考えてしまう。</p>



<p>最初の頃は、高齢だから肉体的負荷はかけられないと、出演シーンは少ないが印象に残る、いわゆる“おいしい役”を用意した。しかし、岡田さんは「もっと出たい」と言う。せりふを覚える気もないのに…。</p>



<p>年々、岡田さんの出演シーンは増えて、最新作では１時間半出ずっぱり、しゃべりっ放し。ラストシーンでふらふらしながら熱演する姿に、僕らは本当に岡田さんを舞台の上で…と考えてしまった。</p>



<p>昨年７月、岡田さんは脳梗塞を患った。連絡をもらった時は頭が真っ白になった。駆けつけると、幸い後遺症はほとんどなく、澄ました顔で「監督、次回作お願いします。わしはお通夜の晩まで俳優を続けますよ」と言う。</p>



<p>リバビリは順調に進み、１ヶ月で退院できた。介護施設に預けていた奥さんも自宅に帰り、以前の生活に戻った。しかし、２人とも９３歳。正直、綱渡りのような生活だ。</p>



<p> それなのに、いや、だからこそ、岡田さんは舞台に立ち続ける。老いという不条理を受け入れる唯一の方法は、表現すること。今や岡田さんの表現欲求は、はち切れんばかりだ。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="738" src="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/9e07fd042aa87794246a71f20ba5010b-1024x738.jpg" alt="" class="wp-image-2010" srcset="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/9e07fd042aa87794246a71f20ba5010b-1024x738.jpg 1024w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/9e07fd042aa87794246a71f20ba5010b-300x216.jpg 300w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/9e07fd042aa87794246a71f20ba5010b-768x553.jpg 768w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/9e07fd042aa87794246a71f20ba5010b-1536x1107.jpg 1536w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/9e07fd042aa87794246a71f20ba5010b-2048x1476.jpg 2048w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/9e07fd042aa87794246a71f20ba5010b-1500x1081.jpg 1500w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
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		<title>おかじいと運命の出会い</title>
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		<dc:creator><![CDATA[sugawara]]></dc:creator>
		<pubDate>Sun, 07 Jul 2024 15:07:31 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム「老いと介護の舞台にて」]]></category>
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					<description><![CDATA[2014年6月に、東京から移住した岡山県和気町で「老いと演劇のワークショップ」を開催した。劇団「オイボッケシ」の活動第1弾。演劇を通じて認知症の人との関わり方を考える内容だ。 　ワークショップが始まる1時間前、一番乗りの [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>2014年6月に、東京から移住した岡山県和気町で「老いと演劇のワークショップ」を開催した。劇団「オイボッケシ」の活動第1弾。演劇を通じて認知症の人との関わり方を考える内容だ。</p>



<p>　ワークショップが始まる1時間前、一番乗りの参加者がやってきた。認知症の奥さんを長年介護している、88歳のおじいさんだった。実際に家族を介護している人に参加してもらうのは嬉しいのだが、そのおじいさん、耳が遠いのと、足腰が弱いのが気がかりだった。ワークショップでは、身体をけっこう動かすし、いろいろと話し合わなければならない。それとなく見学を勧めたのだが、おじいさんは自分の話を延々と続け、全く聞く耳を持たない。参加してもらうことにした。</p>



<p>　ワークショップでは、グループに分かれて認知症の人が登場する寸劇を作る。発表の時、その場にいた全員が驚いた。おじいさん、演技をやらせたら水を得た魚だったのだ。認知症の老人役を愛嬌たっぷりに演じ切っている。</p>



<p>　「何者なんですか？」。発表が終わってすぐに尋ねた。昔から演劇が好きで、定年退職後は数々のオーディションを受けてきたという。実は一番演技経験のある人だったのだ。</p>



<p>　運命だと思った。認知症の奥さんを介護していて、俳優を目指している。まさに老いと演劇の体現者だ。もう一度会いたいと思って、人づてにおじいさんの電話番号を入手して、電話をかけた。おじいさんはこう言った。</p>



<p>　「これはオーディションに受かったということですか」</p>



<p>　これが、オイボッケシの看板俳優、岡田忠雄さんとの出会いだ。それから5年がたち、僕らは6本の公演を打ち、岡田さんは93歳になった。老いと演劇の体現者は年々輝きを増している。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="745" src="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/60325fd447ce9d5c79488b4149161179-1024x745.jpg" alt="" class="wp-image-1988" srcset="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/60325fd447ce9d5c79488b4149161179-1024x745.jpg 1024w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/60325fd447ce9d5c79488b4149161179-300x218.jpg 300w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/60325fd447ce9d5c79488b4149161179-768x559.jpg 768w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/60325fd447ce9d5c79488b4149161179-1536x1118.jpg 1536w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/60325fd447ce9d5c79488b4149161179-2048x1491.jpg 2048w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/07/60325fd447ce9d5c79488b4149161179-1500x1092.jpg 1500w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
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		<title>老いと演劇のワークショップ</title>
		<link>https://stg.oibokkeshi.net/2024/06/07/1869/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[sugawara]]></dc:creator>
		<pubDate>Fri, 07 Jun 2024 14:01:19 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム「老いと介護の舞台にて」]]></category>
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					<description><![CDATA[認知症介護に演技は役に立つ。この発見を多くの人々と共有するためにどうすればいいのか。僕は演劇ワークショップを通じて、多くの人々に実際に演技を体験してもらおうと考えた。 ワークショップでは、参加者にこんなやりとりを即興で演 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>認知症介護に演技は役に立つ。この発見を多くの人々と共有するためにどうすればいいのか。僕は演劇ワークショップを通じて、多くの人々に実際に演技を体験してもらおうと考えた。</p>



<p>ワークショップでは、参加者にこんなやりとりを即興で演じてもらう。介護職員役の「ご飯の時間ですよ」という声かけに、「主人と出かける用がある」と答えるおばあさん。認知機能の障害によって、亡き夫が生きていると思い込んでいる設定だ。</p>



<p>介護職員役には２通りの関わり方をしてもらう。まずは「ご主人は亡くなってますよ。それよりもご飯です」という、認知症の人の言動を否定する関わり。自分の言動を否定された上に相手の都合を押し付けられると反発したくなるようで、おばあさん役は「いや、主人は生きています。何言ってるんですか」と言い返す。こうなると、お互い意固地になっていく。</p>



<p>次は、肯定する関わり。「あぁ、それは楽しみですね。そしたら出かける準備をしましょうか」。現実ではありえないことでも演技で受け止める。その上で介護職員役が「ご主人が来られる前にご飯はいかがですか」と声かけをしてみる。おばあさん役は「これだけ私の言うことを聞いてくれるのなら、この人の言うことも聞いてみようかと思った」と感想を語る。</p>



<p>実際に演じることで認知症の人の気持ちを疑似体験できる。そこから認知症の人とのよりよい関わり方が見えてくる。</p>



<p>演劇という表現形式の特徴は、俳優と観客が時間と空間を共有して共に楽しむこと。認知症の人の言動を否定したり、失敗を責めたりするのではなく、介護者が演技をすることによって、認知症の人といまここを楽しむことができる。演劇には介護を豊かにする知恵がつまっている。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="718" src="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/06/6d1943c2e1932405bfaec04360404866-1024x718.jpg" alt="" class="wp-image-1870" srcset="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/06/6d1943c2e1932405bfaec04360404866-1024x718.jpg 1024w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/06/6d1943c2e1932405bfaec04360404866-300x210.jpg 300w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/06/6d1943c2e1932405bfaec04360404866-768x539.jpg 768w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/06/6d1943c2e1932405bfaec04360404866-1536x1077.jpg 1536w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/06/6d1943c2e1932405bfaec04360404866-2048x1436.jpg 2048w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/06/6d1943c2e1932405bfaec04360404866-1500x1052.jpg 1500w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
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		<title>傘で掃除するおばあさん</title>
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		<dc:creator><![CDATA[sugawara]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 30 May 2024 05:43:54 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[コラム「老いと介護の舞台にて」]]></category>
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					<description><![CDATA[僕の肩書きは「俳優」と「介護福祉士」。というと平日に介護の仕事をして、土日に演劇活動をしていると思われるかもしれないけど、僕はちょっと違う。介護の仕事中に演技をし、演劇の稽古中に介護をする。 お年寄りを相手に演技する、と [&#8230;]]]></description>
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<p>僕の肩書きは「俳優」と「介護福祉士」。というと平日に介護の仕事をして、土日に演劇活動をしていると思われるかもしれないけど、僕はちょっと違う。介護の仕事中に演技をし、演劇の稽古中に介護をする。</p>



<p>お年寄りを相手に演技する、といっても詐欺師ではない。介護現場ではどうしても演技が必要なときがあるのだ。</p>



<p>例えば、職場の老人ホームで傘を持って掃き掃除をしているおばあさんを見かけた。普通であれば「いや、それ、傘ですけど…」と突っ込みたくなる。</p>



<p>認知症の人が同じ話を何回もしたり、人を勘違いしたりするのは、記憶障害や見当識障害などの中核症状が原因だ。これらは認知症と診断されたら必ず生じる症状といわれている。</p>



<p>本人はおかしいことをしているとは思っていないので、周りから指摘されると反発する。あまりしつこく指摘されると、声を荒げたり、暴力を振るったり、外に出たりすることもある。認知症になったからといって、感情がなくなってしまったわけではないからだ。</p>



<p>傘で掃き掃除をしているおばあさんも「職員さんが忙しそうだから」と人を思いやる気持ちがしっかりと残っている。ただ、中核症状によって傘を手にしてしまっただけだ。</p>



<p>おばあさんの気持ちに寄り添うにはどうすればいいのだろう。僕は演じてみた。「おかげさまできれいになりました。ありがとうございます。新しいほうきがあるので、用意しておきますね」。照れくさそうに笑ったおばあさんは「あぁ、人の役に立てた」と思ってくれたのかもしれない。</p>



<p>日常生活で演技をするというと、うしろめたさを感じる人もいるだろう。しかし、演技を通じて人と人が心を通わすこともある。僕は今、演劇ワークショップを通じて、全国の介護に携わる人々に演技のこつを伝えている。</p>



<figure class="wp-block-image size-large"><img loading="lazy" decoding="async" width="1024" height="728" src="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/05/263201d1cd6472baaebeba52732a48bb-1024x728.jpg" alt="" class="wp-image-1842" srcset="https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/05/263201d1cd6472baaebeba52732a48bb-1024x728.jpg 1024w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/05/263201d1cd6472baaebeba52732a48bb-300x213.jpg 300w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/05/263201d1cd6472baaebeba52732a48bb-768x546.jpg 768w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/05/263201d1cd6472baaebeba52732a48bb-1536x1092.jpg 1536w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/05/263201d1cd6472baaebeba52732a48bb-2048x1456.jpg 2048w, https://stg.oibokkeshi.net/obs/wp-content/uploads/2024/05/263201d1cd6472baaebeba52732a48bb-1500x1066.jpg 1500w" sizes="auto, (max-width: 1024px) 100vw, 1024px" /></figure>
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